高齢期の循環器系の疾患：在宅介護・健康管理・エコな生活のお役立ち情報：So-netブログ

	ブログをはじめるログイン

今日のつぶやき 2010/09/22｜今日のつぶやき 2010/09/23 ブログトップ

高齢期の循環器系の疾患　[健康管理] [編集]

高齢期の循環器系の疾患

心臓や血管の機能は、必ずしも加齢によって低下するものではありませんが、高齢者は循環器系の疾患をもつ場合が多くなります。急激な発作を伴なう疾患もありますが、自覚症状が出にくいものもあります。主な疾患の原因と特徴を覚えておいて下さいね！

◆心筋梗塞
心筋梗塞は、主に心臓の冠動脈の一部が血栓（血の固まり）によって塞がり血流が阻害され心筋の一部が壊死するものです。症状として激しい前胸部の痛みとしめつけ感があり、狭心症より痛みが長く続くという特徴があります。心不全やショック、急性期の不整脈がみられる場合は、一刻も早い医療機関への受診が必要です。

◆狭心症
狭心症は、主に冠動脈が狭窄（狭くなる）して、血流が一時的に低下することによって起こり次の2つに分類されます。
①労作性狭心症・・・・冠動脈の動脈硬化から生じ労作時や運動時に心拍数が増加したり、血圧が上昇したりした時に発作が起こります。

②異型狭心症・・・・労作の有無によらず冠動脈の強いけいれんから生じ夜間、未明、睡眠時に発作が起こります。

いずれも前胸部の圧迫感が特徴で、発作時はニトロ製剤が有効です。また狭心症でも初発型（初めて起こったもの）増悪型（発作頻度が増加してきたもの）、安静型（軽労作時や安静時にも起こるようになったもの）は不安定狭心症とされ、心筋梗塞への移行の危険性が高いので、すみやかな治療が必要となります。

◆心不全

心不全とは、心臓の機能が低下した状態をいい、心筋梗塞、弁膜症、不整脈、高血圧症の心肥大などが原因疾患となります。主な症状は呼吸困難、浮腫、食欲低下、尿量低下などです。高齢者の場合は、活動の低下や失見当識（自分が今どんな状態にあるかわからなくなること）、認知症の症状として出現し、見過ごされやすいので注意が必要です。心不全は、夜間に急に増悪して呼吸困難を起こす場合があります。呼吸困難時には仰臥位（仰向け）ではなく体を起こした起座位にすることで症状が改善します。

◆高血圧症
高血圧症は、原因がはっきりしている二次性高血圧症と直接の原因がはっきりしていない本態性高血圧症の2つに分類され、大半は本態性高血圧症です。動悸、頭痛、ほてりなどの自覚症状がないことが多く、検診や他病の受信時に発見されることがほとんどです。脳卒中、冠動脈疾患などの原因となり、長時間放置すると腎硬化症や心肥大などの続発症も引き起こしやすくなるので注意が必要です。血圧には日内変動（1日の間の変動）があり、また測定時の緊張で一時的に高血圧になることもあります。このため、高血圧症の診断は一度の測定で行うことはできません。治療は、二次性高血圧症の場合は原因疾患に対する治療、本態性高血圧症では塩分摂取の抑制、肥満の改善などの生活習慣を見直し、不十分な場合は薬物治療を行ないます。

◆不整脈
不整脈とは、脈拍が乱れて不規則になることで、加齢により不整脈の頻度は増加します。脈が遅くなる徐脈性不整脈と脈が速くなる頻脈性不整脈にわけられます。すべての不整脈が治療の対象となるわけではありませんが、血圧低下、意識障害、心不全を伴なう不整脈はすみやかな治療必要です。

◆閉塞性動脈硬化症

動脈硬化によって血管が狭窄または閉塞し、身体の末梢に十分な血液が送られなくなる状態を閉塞性動脈硬化症といいます。下肢への血流悪化が多く見られ、歩いているときに下肢痛を感じ、立ち止まると軽減する間欠性跛行がみられます。進行すると、安静時でも疼痛があり、さらに悪化すると壊死に至ります。治療には抗血小板剤や血管拡張剤の内服、カテーテルを用いた血管拡張術、人工血管によるバイバス手術などが行われますが、進行した状態では根治が困難となります。