胃腸に関する病気(2)：在宅介護・健康管理・エコな生活のお役立ち情報：So-netブログ

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胃腸に関する病気(2)　[健康管理] [編集]

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過敏性腸症候群

過敏性腸症候群は、腸に炎症やがんといった病気はないのに、運動機能に異常が起こり、便通異常（便秘や下痢）を繰り返す病気です。ストレスが関係する典型的な現代病で、珍しい病気ではなく、日本人の5～10人に1人がこの病気の診断基準に当てはまるといわれています。今まで、これほど腸の病気が多発したことはなく、腸の病気が注目されたことはありませんでしたが、ストレス社会が反映して腸の病気が増えていることが考えられます。

以前は、「過敏性大腸症候群」と呼ばれていましたが、最近では、腸管の異常は大腸だけではなく小腸も関与していることがわかってきて、現在の名称に変更されました。
特に働く世代に多くみられますが、実際に深刻な下痢や便秘があっても、病気という認識がないため、「体質の問題」とあきらめている人が多く、この病気の約8割の人が病院の治療を受けてないといわれています。

①特徴、症状

急激な腹痛や下痢を起こすのが特徴です。この病気の症状は多彩ですが、「会議中や通勤電車で、決まってお腹が痛くなり、下痢をする」「便秘で腹痛があり、トイレではコロコロした硬い便しか出ない」などがあります。
過敏性腸症候群は、こうした症状の現れ方から「下痢型」「便秘型」「交代型」の3つのタイプに分かれます。

下痢型・・・・腹痛を伴う下痢を繰り返すタイプ。しかし、それほど強い下痢というわけではない。男性に多くみられる。

便秘型・・・・便秘を主症状とするもの。便意があっても、コロコロした硬い便やゆるい便が少し出ることが多く、女性に多い傾向がある。

交代型・・・・下痢と便秘を数日ずつ繰り返すタイプ。最もよくみられる。

いずれのタイプも、下痢や便秘に加えて、腹痛や腹部膨満感など不快な症状を伴うことが多いのが特徴です。しかし、血便や体重の減少などはみられず、器質的な病変による大腸がんや潰瘍性大腸炎などとは異なります。またお腹の症状以外に、「頭痛」「肩こり」「倦怠感」「関節の痛み」「うつ状態」などさまざまな不定愁訴を伴うのも、この病気の特徴の1つです。

②原因

この病気は、食事をはじめ、生活の乱れなどによって生じますが、現在では、心身のストレスが最大の原因になって腸の機能が失調し、「消化管運動の異常」や「消化管知覚過敏」によって発症すると考えられています。腸管の運動は、自律神経と腸管自体に存在する神経によってコントロールされていますが、ストレスを受けることで、異常な運動が起こります。その結果、腹痛・腹部不快感とともに抑うつや不安など、感情の変化も引き起こし、これらがさらに消化管の運動異常を悪化させます。

③診断

過敏性腸症候群の診断には、国際的な診断基準が設けられています。これを参考にすることで、ある程度自分で推測ができます。

＜過敏性腸症候群の診断基準＞

過去３カ月において腹痛あるいは腹部不快感が１カ月に少なくとも3日以上あり、さらに下記項目の２つ以上に当てはまること。

●痛みや不快感が、排便によってやわらいだり治まったりする（排便による症状の軽快・解消）
●痛みや不快感を感じるようになったあと、排便回数が増える、あるいはへる（排便頻度の変化）
●痛みや不快感を感じるようになったあと、硬便あるいは軟便になる（便状の変化）

④解消するための日常生活のポイント

過敏性腸症候群と診断されたら、まず生活習慣の改善に努めることが大切です。早ね早起き、毎日決まった時間にトイレに行くなど、規則正しい生活を心掛けましょう。特に大切なことは、朝食をきちんと取るということです。便意が起こるのは、朝食によって胃が膨らみ、長時間休んでいた腸が刺激を受けて動き出すためです。また腸に負担のかかる香辛料、アルコール、脂質などはできるだけ控えたほうがよいでしょう。
ストレス解消のために、ウォーキングやストレッチなど、運動することも効果的です。