高齢期の消化・吸収能力

高齢期の消化・吸収能力

高齢になると消化・吸収能力が低下するといわれていますが、消化・吸収能力は人間に原始的に備わっている能力であるため、老化してもその能力はあまり薄れません。

消化・吸収能力の低下というより、消化液の分泌が低下します。これは、これは、消化液を分泌する粘膜の膜細胞が萎縮することによる影響です。

それとは別に、老化により歯が抜けて噛む力が衰えることによって咀しゃく（噛むこと）回数が減り、結果的に消化・吸収能力の低下がみられることもあります。

老化が始まると、食欲の低下や嚥下（飲み込む）障害などがおこることがあるので、食生活を変えていくことが望ましいが、長年にわたって形成された食べ物の嗜好を突然かえるのは、難しいことですね。

三大栄養素

脂質は1日に100ｇ程度摂取しても消化吸収の効率は成人期とかわらない。しかし100ｇ以上摂取すると未消化のまま排泄されることがある。
タンパク質は、成人期も高齢期も、体重1㎏に対して1ｇの摂取が望ましい。糖質の場合は、とくに乳糖を分解するラクターゼの活性に低下がみられる。そのため牛乳を飲んだあと下痢になりやすいが、心理的な原因によることも多い。ほかの糖質には大きな変化はみられない。

ビタミン・ミネラル

ビタミンB12の吸収効率が低下する。また、肉類に多く含まれるヘム鉄をはじめ、食欲低下による摂取量低下にともない、すべてのミネラルは吸収力が低下する。

臓器別加齢による影響

食道>> 不規則に食べ物のが逆流したり、収縮したりするがとくに目立った症状はない。

胃>>　萎縮性胃炎が増加する。固い食べ物が胃の中で留まる時間が長くなるため、胃の中の細菌数が上昇し、胃炎を引き起こす。

肝臓>>　高齢期になると、肝臓の重量がだんだん減っていくが、肝臓の機能についてはめだった変化はない。

膵臓>>　膵液やそれに含まれる酵素の分泌は加齢とともに低下するが、膵臓の疾患がない限り、日常生活に支障をきたすような機能の低下はみられない。

小腸>>　萎縮性胃炎が原因で、小腸内の細菌数が増加することがある。

大腸>>　直腸の粘膜と筋層が縮まり、腸の働きが低下する。それにより消化物が大腸内に留まる時間が長くなり、水分を吸収してカサが減るため便秘になりやすい。


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タグ：高齢 消化 吸収 加齢 影響

コメント 2

こんにちは＾＾
歳をとると、今以上に便秘になりやすいってことなんですね～
困った（＞＜；　気をつけなくちゃ。
by mimimomo (2010-09-20 15:52) 

今晩は。
いつもナイスありがとうございます。
家の犬は快便です。
by 夏炉冬扇 (2010-09-20 20:51)